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メーカー・問屋に任せればリスクは少ない

百貨店・スーパーの世界がどうして、低い利益率なのか。朝、開店前に入口であいさつしてくれるのも、エレベーターガールが親切に案内してくれるのも、売場で明るい声で迎えてくれるのも多くの人件費をかけているからだ。それだけかけても採算が合うなら別だがそれら高い人件費は商品の価格にはねかえっている。低い利益率の一つの要因は高い人件費なのである。とくに、百貨店は、他の小売業と異ってメーカーや問屋の派遣店員が多数いる。こうした人件費は直接百貨店にかかるのでなく、間接的なコスト増の要因となる。ほかにも委託販売や消化仕入という販売方法が百貨店自らリスクをとるのでなく、メーカー、問屋が負担する。しかも売れなければ、これまた問屋・メーカーへ返品。スーパーの中でも返品しないまでも未引取りするケースが多い。メーカー・問屋に任せればリスクは少ない。

百貨店と取引をする大手アパレル

百貨店と取引をする大手アパレルの中には直営店はもたず卸にだけこだわるアパレルが多インの代表がオンワード樫山やレナウン、東京スタイルといったところだ。例えば日本にSPAが誕生した一九九五年当時オンワードの社長であった馬場彰が、「僕は生まれ変おっても小売はやらない」と断言し、SPAをやったら全部赤字になると拒否していた(日経ビジネスー九九五年五月一日号)。それから六年後の二〇〇一年においても、一〇年後のオンワードを展望してやはり「卸・小売りのいずれかに特化していることはない」(日本経済新聞二〇〇一年一月四日付)と述べている。何故、卸だけにこだわっているのか。現在、百貨店の取引形態には委託販売(仕入)、消化仕入、そして買取仕入がある。しかし多くの場合、委託仕入か消化仕入である。簡単に説明すれば、委託仕入では、商品の所有権は問屋・メーカー側にある。消化仕入は小売側か売った分だけ仕入れたものとする取引形態である。

アメリカ生まれのTシャツ

「欲望という名の電車」という映画でのマーロン・ブランドの第一の功績は、アメリカ生まれのTシャツを、下着から外着としてのカジュアルウェアに昇格させたことだ。彼のTシャツ姿に、ヴィヴィアンーリーはしばしば目を背ける。マーロン・ブランドのマッチョ体型のせいもあろうが、アメリカではその当時、Tシャツがまだ下着だったためだ。マーロン・ブランドは、(冒頭で)ヴィヴィアンーリーのすぐ前で、野球観戦用のスタジアムジャンパー(これも典型的なアメリカのカジュアルウェアである)を脱ぎ、Tシャツ姿を披露し、その後も頻繁にTシャツで登場する。Tシャツの記述は、原作にない。彼が登場する冒頭シーンの脚注も、「中背の五尺七、八寸といったところで、岩乗な引き締まった鰹つきをしている。その身ごなし、態度のはしばしに至るまで、彼の裡にある本能の悦びといったものを思わせるところがある」(『欲望という名の電車』田島博・山下修訳/新潮文庫)で、何ら服については触れられていない。その少し後で、スタンレー(マーロンーブランド)のセリフとして「汗で、着ているものがベタベタ肌にくっついちゃって。構いませんか、こいつを脱いで気持ちよく寛いでも?(シャツを脱ぎはじめる)」とあるが、シャツの下に何を着ていたか不明である。映画では、そんな上品なセリフはなく、「こりゃあ、どうも。家のやつは?」だけで、ヴィヴィアンーリーを徴発するようにジャンパーを脱ぎ、汗だらけのTシャツ姿になる。